温度計センサーの原理は、大きく2つあります。
機械式のものと電気式のものですが、ここで説明する機械式の温度計センサーとは2種類の異なる板状の金属を重ねて貼り合わせたような形状をしています。金属は温度が高くなると膨張しますが、その膨張率は金属によって異なるため、ある温度では真っ直ぐに張り合わせられていても、そこから温度が高くなると片方に曲がって膨張することになります。この曲がり方の度合いによってそのときの温度を知ることができるという仕組みです。
実際には、ごく普通の例えば板ガム程度の形状では、一方に曲がるとは言ってもその度合いは極めてわずかなもので検出しにくいですし誤差も大きくなります。そこで、幅に比べて長さを極めて長くし、わずかな曲がり具合でも先端部ではその差が容易に検出できるようにしたものが用いられます。単純に長さが長いと今度はそれだけで扱いにくくなりますから、ぜんまいやコイルのようにらせん状に巻いておくことで取り扱いを容易にする工夫がなされています。
2種類の異なる金属を使用することから、2つの金属という意味でバイメタル式と呼ばれているのが機械式温度計センサーの原理となります。実はこの原理は日常的に目にすることもある寒暖計にもよく用いられています。デメリットとしては、曲がり具合の大きさという物理的な長さでもって温度を知ることにあり、長さというのは人間の目にはもちろん分かりやすいのですが、機械にとっては必ずしも容易でないということがあります。