HACCPとその義務化

HACCP(ハサップ)は、1960年代にアメリカ合衆国のアポロ計画の中で宇宙食の安全を確保するために開発された食品の衛生管理の方式です。

Hazard_Analysis_Critical_Control_Pointの頭文字を取ったもので、危害分析重要管理点と訳されています。食品の流通が国際化し、従来行われて来た最終食品を検査する方式では、食品の安全性の確保が難しくなったため、工程・加工・流通・消費の各段階で危険の起こりうる重要な管理点を設定して、各段階においてリアルタイムで監視して記録するというHACCPの考え方に注目が集まるようになりました。

日本では、食品の衛生管理については「食品衛生法」で規定されていますが、2018年8月にその一部が改正され、原則として製造・加工・調理・販売を行う全ての食品等事業者にHACCPに基づいた衛生管理が義務化されることになりました。法律の規定により遅くとも2020年6月には全ての食品等事業者が、その規模に応じた規準を満たすことが必要になります。

HACCPに基づいた衛生管理を行っていることについては、第三者機関による認証が必要ですが、「HACCP認証協会」の他、一部の地方自治体でも認証を行っています。国としても「ハサップ支援法」を制定するなどして、事業者の規模にかかわらず導入が進むように支援をしており、今後は国内向け・海外向けのいずれの事業者にとっても必要な認証となっていきます。

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