今まで日本では法律によって義務付けられた一般衛生管理をおこなってきました。
手順書を作って、従業員に教育を行い清潔に保つことで、食中毒のリスクを低減させるものです。この方法が悪かったわけではなく、適切に実施することで十分に食の安全を確保することができていました。従来方法では正しい枠組みを決めることで、結果が良くなることを信じて活動しているような状態です。成果を上げるためには、かなり真剣に取り組まないといけません。誰かが作った手順書を流用して、その通りに行っていたのでは無駄が多かったり、意味がなかったりすることがありました。
HACCPでは工程全体を見える化すると言った取り組みになるので、まずは分析から始まります。枠に当てはめる衛生管理とは逆に、必要な作業からルールを作る活動に変わるわけです。目指している目標は同じですが、アプローチの仕方が全く異なります。HACCPを始めるときに、まずは扱っている製品の説明を手順化します。
つまり、何をすべきものなのかをはっきりと理解するところから始めます。そして製造工程の書き出しに取り組みます。製品の説明で考えた通りに工程ができているかを書面上で確認します。無駄な作業があれば、ここで是正することも可能です。最後に出来上がった工程を現場と見比べてみて差がないかを確認します。HACCPを採用するときには、徹底的に実施されている作業を見える化することが重要になります。